ジーンズの製造に必要な整理加工は、基本的には縫製し易いように生地を加工する工程となります。
糊抜き、防縮、巾だし、などです。
最近では、液体アンモニアなどを使った加工もされているようです。
これは、生地の形態(綾目など)を安定させることを目的としているようです。
また、生地の品質を向上させる目的の一つに毛焼き加工があります。
これは生地の風綿・毛羽をバーナーで炙って焼いてしまうというものです。
逆に、以前、起毛機を使って、故意に生地の表面を毛羽だたせる加工がありました。
今はあまり聞きませんが。
最近は、付加価値の追求という観点から、いろいろな加工が数多く開発されてきているようです。
もちろん、染色も行われています。
デニム業界では大抵、この整理加工が終了すると、生地の最終検査を行います。
その検査内容検査基準は、主に発注元のアパレル・商社が決めることになりますが、生地メーカーとしても、基準値を設定し品質管理の徹底を図っています。
インディゴ染色の色の最終的なチェックもこの段階で行われ、上限、下限の範囲を外れると、格付けの下位に位置付けられ、場合によっては返品の場合もあります。
もちろん、糸の品質も、織りの品質も、この段階で最終的にチェックされます。
ただ、ジーンズの場合、ほとんど洗い加工をしますので、検反の時分からなかった欠点が、洗い後出て、大きな問題になったというケースがたびたび起きています。
また、各工程がそれぞれ関連性を持っているので、一つの欠点でも、複数の工程に影響することもあります。
最近は特に、それぞれの工程の内容が複雑化してきているので、欠点の内容も変わってきています。
また、ユーザーの好みが、時代と共に変わるので、検査内容やその基準値が自ずと変ってきます。
昔欠点として格下げになっていたものが、今はクリアするとか。
もちろんその逆のケースも、実際起きています。
NB(ナショナルブランド)も含めて大抵は、前述のように、エンドユーザーの嗜好が変われば、品質内容も、場合によっては基準値まで変更されています。
ところが、リーバイスは、違いました。
現在は分かりませんが、以前は、ユーザーの嗜好に関係なく、途中で変更されるようなことがない、リーバイス基準というものがありました。
これは、アメリカの正に合理的なシステムだと言えます。 |