ジーンズの製造に必要なインディゴ染色堅牢度について少しお話ししたいと思います。
何と言っても、インディゴ染色堅牢度と言えば、汚染と日焼け・黄変(イエローイング)につきるでしょう。
汚染については、製品に取り付けてあるタグに必ず書いてありますが、洗濯堅牢度や、特に湿式の摩擦堅牢度が悪く、洗濯する際は、かなり注意しなければなりません。
ただ、大抵、洗い加工をして出荷されますので、とても大きな問題になることは少ないようです。
インディゴ染料の特性とも言えますが、染色処方からみても、表面染着させ、メリハリのある脱落感を特に出そうとしているのですから、適切な表現とは言えませんが、脱落して当然、ということになります。
ですので、脱落させないように、仮に染めれば、逆にジーンズの面白味はなくなるでしょう。
ところで、インディゴ染料は、ミセルと呼ばれる繊維の隙間に入っていきます。
このミセルに入り込んだ染料は脱落し難いと言えますが、表面にくっ付いているだけの染料は、止め処も無く脱落していきます。
染料分子の集まりが多いと、このミセルから出難くくなるので、そういう染め方をすると、堅牢度は向上します。
次に日焼けについてですが、これについては毎年ある時期、必ずと言っていいほど、問い合わせがあり、また、クレームも発生しています。
インディゴ染料自体は、4級ほどの日光堅牢度がありますが、実際、デニムの生地では3級未満です。
特にブリーチアウトしたジーンズは最悪です。
薬品メーカーから、いろいろ耐光堅牢度用に開発したというサンプルを試してみましたが、どれも期待できるようなものはありません。
逆に、薬品で処理しない方が堅牢度が良かったりします。
今後、日焼けの問題がクリアできれば、それはとても画期的な大発明ということになるでしょう。
ところで、主なJIS規格による項目には、次のものがあります。
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耐光堅牢度 |
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A |
乾・湿摩擦堅牢度 |
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B |
洗濯堅牢度 |
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C |
汗堅牢度 |
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D |
熱湯堅牢度 |
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E |
ドライクリーニング堅牢度 |
これらのデータは、専用の試験機を使って行いますが、耐光堅牢度に関しては、直接外気に触れさせてデータを取っていった方が確かなようです。 |